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雪の華  10/21/2007  
雪の華 (ハルキ文庫)雪の華 (ハルキ文庫)
(2006/10)
伊藤 たかみ

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『雪の華』伊藤たかみ

初の伊藤たかみ作品。
ブログを始めてから、あちらこちらの読書ブログ訪問が癖になり、
そこのお勧め本を必ずチェックしてしまう。
そのチェック表のお陰で、今まで読んだことがない作家の作品にも
手を伸ばすことが出来ているから、やっぱり読書ブログを作って正解。

2004年の作品なんだけど、テーマは共感覚。
感覚神経、嗅覚・触覚・視覚・聴覚など、が混線しているような
状態なのが共感覚、と主人公が説明している。
この作品の主人公、優は、匂いを嗅ぐと必ず「形」がついてくる。
人間や物においてもそうで、友人霧島には、霧島の「形」が
彼を見ることで一緒に“見える”。
共感覚って今話題のテーマなのかしら。
神経症の部類だろうか、と思ったのだけど、まだ調べてはおらず。
気になるな。

ストーリーは、高校生時代、仲が良かった霧島と京子の話。
主人公の優と霧島、そして京子は、仲が良い3人を装いながら、
微妙な三角関係で、結局京子は霧島を選んだ。
京子は既に死んでいるのだけど、彼女が死ぬ間際にかけた電話の相手、
七海を巻き込んで、死んだ京子がどんな人間だったのか、
本当に交通事故で死んだのか、それとも自殺したのか、
そして、死ぬ間際に霧島に妊娠をほのめかしていたことから、
それは真実だったのか、そして子供の父親はだれなのか?
という疑問から始まる。

一番身近にいて、そして恋をしていて、相手のことを
少なからずはわかったつもりだったのに、死んだ後、
京子のことをあれこれと調べているうちに、自分が知らなかった
京子の一面が見えてくるのがリアルで怖い。
誰しも、「見たいようにしか見ていない」ということだな。
折しも、それはテーマに繋がるんだけど。

死んだ京子と同じ「形」を持っている七海が現れたことから
なぜ同じ「形」なのか、そして、それが何を指しているのかなどなど。
共感覚が前面にでたストーリーだった。

あたしとしては、この作品の中で気に入ったのは、
京子が抱いていた複雑な思いって奴かな。
ある事件がきっかけで、霧島と付き合うようになった京子は
霧島を愛しながら憎むという2側面を持っていて、
その矛盾に苦しみながらも、矛盾を解決することが出来ない。
相反する二つの思いが入り混じって、それで選んだ結論が
一番京子を幸せにしてくれて良かったな、と思った。

タイトルの「雪の華」は、京子の「形」のこと。
雪の結晶のような形で指先で触れただけで
溶けてなくなってしまいそうな形。
「形」というのは指紋のようなもので、
二つと同じものが存在しないという。

共感覚の世界の語りではあるのだけど、それが病気とか
いらない能力とか、それが迷惑とかじゃなくて、
あたしとしては、普通に「ああ、共感覚ね」って読みながら、
こんなのがあったら、匂い+形(視覚)でくっついてるわけだから、
普通の人間として、他の人間に接する時に、その相手の個性とか、
その人自身っていうのを、より明確に認識できる指標になるな、と思った。
見た目は一緒だけど、「形」が違うから、ちゃんと判別できると言うか。
見た目で騙されない(!)というか。

面白い能力だと思った。
病気という観念で見るより、その人の感受性、個性というような。
ただ、自分は感じるからわかるけど、それを相手に説明するのとか、
相手と、自分の持っている感覚を共有できないって点では
なにかしら不便かもしれない。
わかりあえないもどかしさを一番に抱えることなのかな。

それにしても。
図書館で借りてきたのでハードカバーの方を読んだのですが、
このアマゾンの文庫本のカバー、あまりにもろまんちっくすぎねー?!(笑)
この表紙だと買うほうが恥ずかしいなぁ。


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