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よろづ春夏冬中  10/29/2007  
よろづ春夏冬中 (文春文庫 な 44-4)よろづ春夏冬中 (文春文庫 な 44-4)
(2007/10)
長野 まゆみ

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『よろづ春夏冬中』 長野まゆみ

春夏冬中、と書いて、「あきない中」と読む。
久しぶりの長野まゆみ作品。
読んだのは、10年ほど前に何度か。
確か、「少年アリス」を初めて読んだのが
キッカケだったと思う。
彼女の初期作品も何冊か読んでいるのだけど、
硬質たる少年美の世界に馴染めなくて、
結局そのまま遠ざかっていた。

この作品を読んだキッカケは、ただ単に装丁が可愛いな、と
思ったから。このイラストとか凄く好き。
あと、どこかで見齧った情報で、この本が
忘れ物を届けに来てくれる不思議な青年の話、みたいのを
覚えていたので、それで自分勝手に解釈して、
(あ~、骨董品店とかの忘れられた物を扱うお店の話かしら)
なんて、ドキドキして興味を示したのが、運の尽き。
読んでみたら、殆どが、ボーイズラブなお話だった。
今で言う、BL系な小説ってことですな。

BL系が嫌とか言うわけではなく、
ただ単にもの凄く驚いた。初期作品ではそれとなくの
少年達の愛が、10年以上経つと、作風がきっっぱりBL系になってて
隠そうともせず(?)、ばっちりそれ系だったのが。
あきらかに進歩(!)してる。
初期作品とかは、ほんと「ほのかにBL系?!」と
疑問符をつけれるような、それとなーい感じだったのに。
明け透けに男たちの愛情の縺れや、肉体関係やら、
不自然でもなく、普通に出てくるのが参った。
心づもりして読んでいなかった分、衝撃波を受けました。

内容の傾向はさておき。

1冊に14の短編入り。
それぞれ不思議なお話が多いのだけど、それぞれBL系な香り。
自分が勝手に想像していた忘れ物を届ける少年の話は、
一番最初に収録されていた『希いはひとつ』だった。
引越しをした主人公に、少年が不意に現れて、
前の部屋の忘れ物です、って主人公が忘れている昔の宝物とかを
運んでくる話。何度も通ってくるのが気味悪いけど、
もう自分でも忘れてしまった子供時代に大事にしていたものと
再会したりする、そういうストーリーでした。なかなか悪くなかった。

10年以上ぶりに読んだ長野まゆみ作品ではあるけど、
昔に比べて、凄く読みやすくなった気がする。
前は、確か漢字が多く、一行一行が、意味の凝縮版って感じで
孤島の雰囲気だったのだけど、なんとなく平仮名が増えて、
柔らかい印象を受ける文章になっているのが一番印象的だった。

自分が持っていた『長野まゆみの作品』っていうと、
色の名前も、赤、とか青、とかじゃなくて、茜色、とか、群青、とか
一捻りした、独特の感性で使われる漢字の世界が広がっていて、
それが彼女独特の作風だった。
写真集『空の名前』とか『色の名前』とか、そっちで扱われるような
普段使いではない言葉が多く使われてて、それがなんとも繊細で
そして感受性豊かでありながら、独特の世界観というか。

それが、今回この作品を読んで、変わっている点が多いので、
昔のあの硬質な独特の世界観が懐かしく思いながらも、
大衆よりのような、柔らかく読みやすい文体に安堵した。
この感じで書いている方が、読み手の幅が広がると思う。

意外にも意外。
長野まゆみが作家として、書き手として成長したのか、
それとも時代に合わせて、書き方を変えたのか。
昔のイメージから脱皮した、変化し、進化した作品で、
そういう意味で読むには、すごく興味深い作品だった。
といっても、ここ最近の長野まゆみの作品を読んでいないから、
どこくらいの作品から転換期だったか知らないので、
自分勝手でいい加減な解釈による読書だけど。

たまには、以前読んでみて、あんまり興味を持たなかった
作家の作品をあらためて読んでみるのも良いかもしれない。




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