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RUN!RUN!RUN!RUN!RUN!RUN!
(2006/11)
桂 望実

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『Run!Run!Run!』 桂望実

『本の雑誌 1月号』のレビューで知った本。
ついに、本の雑誌まで読むようになってしまったか、自分…。
椎名誠が嫌なわけじゃなくて、本の雑誌の存在を知った時に、
(なんてマニアックな雑誌を作ってるんだ!)って思ったのに、
色々読書生活を続けていく上で情報収集をしていたら、
本の雑誌に突き当たってしまい、こんなことになるなんて、と
自分なりに驚いている。
書評の雑誌だから仕方ないか。
日本で発売されてる書評の雑誌って少ないのよね。

この本は、箱根駅伝にまつわる話。
タイトルどおり、走ることについて書いた本。
まさに、Run!
三浦しをんの『強い風が吹いている』を読んで、
箱根駅伝について書かれた小説とか、
意外とアンテナ巡らして探してる。
そして、そのアンテナにひっかかったのがこれ。

主人公の優は、今までの陸上人生で試合に負けたことはなく
天才の名を欲しいままにしてきた。
陸上推薦で大学に入った優は、陸上部に所属するものの、
箱根駅伝でさえ踏み台で、将来はオリンピックで金メダルをとることしか
狙っていない。そしてそれを公言してはばからない。
高慢で、ただ走る才能でしか相手を評価できず、
人間らしい感情や、友人関係なども意味がないと思ってる。
ただ、才能のまま走ることだけが優にとって意味を持っている。
それが、兄の自殺によって、自分自身の出生の秘密に気づいた優は
走りが、そして生き方が段々と変わってくる。

読みながら、最初の方は優の才能至上主義が鼻について
(なんだこいつ・・・)って思いながらすすめていたんだけど、
段々と箱根駅伝が近づくにつれて、優が変わっていく姿が良かった。
勿論、人間はすぐにこれまでの人生や考え方を変えることなんて
出来ないし、劇的な瞬間なんてそんなにないのだけど、
徐々に氷が溶ける様に、色んなことを感じて、
理解していく優の精神的な成長が手に取れるようにわかった。

箱根駅伝が終わり、優が競馬場へ出向くシーンでは、
痛いほど優の気持が伝わってきて、号泣してしまった。
辛い、とか悲しい、とかじゃなくて、
ただただ真実が突き刺さる。そして真実と向き合う厳しさや
それが自分の人生から色々なものを奪っていく力や、
それに抗いながら、自分の人生をもう一度作っていく決意の固さが
胸に突き刺さった。
運命なんかに負けるなよ、って優が競馬たちに呟くシーンが痛い。

この作品で描かれてるのは、走ることの喜びや箱根駅伝という
大きなイベントのことだけじゃない。
たすきを繋いでいくという箱根駅伝を通じて得られる友情の姿も
描かれてはいるんだけど、一番のメインテーマは家族。
優の家族、走ることに対しての執着心を見せる父や、
兄を溺愛している母、そして出生の秘密の重さからか自殺してしまった兄。
家族とどう対峙するか、自分の行き方とはなにか、
どうして自分が生まれたのか、と優がひたすら自分の人生を取り戻すために
強く生きていく姿がメインテーマだと思った。
誰かから決定される人生を歩いていくのは、それは自分の人生じゃない。
自分がどう生きていくか、そしてどう生き延びていくか模索し、
戦い続けること自体が「生きていく」ことなんだと教えてくれた。


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