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チョコレートコスモス  10/20/2007  
チョコレートコスモスチョコレートコスモス
(2006/03/15)
恩田 陸

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『チョコレートコスモス』 恩田陸

去年発表された作品かな。
発売当時、確か恩田陸ブームが自分の中であったんだけど、
なぜか「演劇物」と聞いて、恩田陸が演劇が好きだったことを思い出し、
なんとなく、舞台のような台詞回しを想像しちゃって、
勝手なる偏見で手に取らなかった作品。

しかし、つい先日、この作品が実は漫画『ガラスの仮面』に
インスパイアされて書かれた作品としり、俄然興味が湧いた!
オマージュ作品ですね。
『夜のピクニック』もオマージュ作品だったらしいけど、
原作は読んで否。恩田作品を気に入ったなら、オマージュされた作品の方も
チェックしてみるべきね、とは思っていた。
それゆえ、こちらは本末転倒な『ガラスの仮面』の導きで
読むキッカケになった。

ストーリーには二人の主人公。
子役時代から天才と称され、若手女優として才能を開花している響子。
勿論、『ガラスの仮面』の亜弓の如く、芸能一家出身。
そして、もう一人の主人公は、演劇指導を受けたことなく、
ただ本能のまま、演技に惹かれる「北島マヤ」こと、飛鳥。
大学の演劇サークルに属した飛鳥の初舞台での
アレンジも奇抜で機転が利いてて面白かった。
あとは、ある大劇場のコケラ落としとして予定されている
舞台の配役を巡るオーディションでの火花も凄かった。
オーディションに呼ばれなかった響子が闘志を燃やして
オーディション会場へ乗り込んでいく熱意が鬼気迫る様子。
才能はあるものの、演劇することに対して
自分自身を知らず、才能のままに走ってしまう飛鳥。

あの名作『欲望という名の電車』での一人芝居を二人でやる
舞台での女優達の戦い。定番中の定番の「欲望という名の電車」を
ここでもってくるなんて、恩田さんもベタだな~と思いつつ、
それでも、よく知っている演劇の名作をどのように作品中で
料理するのかが、実は凄く興味深くて、そこが面白かった。
4人の女優が、それぞれの切り口で、この名作を解釈し、
演技で表現する舞台方法が面白かった。

演技に夢中で、あちらの世界にいってしまった先には
何が見えるのか。そして何を感じることが出来るのか。
突き詰めていくと、演劇の奥に広がる無限の世界を
少しだけ入り口で覗いたような気になる。
演技中に、あの世界を掴み獲りたい、と
手を伸ばす先にある花を、響子と飛鳥は二人一緒に掴んで
共有できる、見える世界の果てには何があるのか。

この作品、連作になるのかな~。
終わり方が、「序幕ですよ~」というような触りだったので、
また響子と飛鳥の演劇の世界のその後が
読むことが出来るといいな。
まだまだ、触りでしょ、あれは。



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木漏れ日に泳ぐ魚  10/09/2007  
木洩れ日に泳ぐ魚木洩れ日に泳ぐ魚
(2007/07)
恩田 陸

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『木洩れ日に泳ぐ魚』 恩田陸

ある一晩の物語。
明日引越しをする部屋にて対峙する一組の男女。
二人はお互いに、相手があの男を殺した、と思っていた。
そして、一緒に暮した部屋を出る、その前の晩、
今日こそは、真実を話し合うんだと決めていた。

この作品は、男女、ヒロとアキの視点から代わる代わる語られる。
最初はお互いがお互いを疑っているが、それを聞けずにいる緊張感。
緊張感がはじけた後は、お互いに、自分が「あの時」どうしていたか、
自分の記憶にはなく、相手が見た「あの時の自分の行動」を思い出し、
そして、やがて記憶の糸が解かれていく。

こういう心理描写が多い、緊迫したお話は好きです。
それも一晩設定なのも好き。
密度の濃い、一晩、と設定された時間内で、
人間の心理がどう変わるのか、と丹念に書かれているのが
興味があって、深層世界を覗くように面白いんですよね。

色々、小さな罠が仕掛けられている文章なので、
あれこれと感想を書くと、ネタばれになってしまって、
面白みが減ってしまうので。

この本を読んで思ったこと。
男性、ヒロ側からの気持と、女性、アキ側からの気持が
書かれているのですが、なんというか・・・。
ヒロはアキを愛しているのだけど、アキにはそれが伝わっていなくて。
疑惑でしか、相手の愛を受け止めるしかない、
そのぎこちなさと、すれ違いが後半、読みすすめてて辛かったです。
ヒロにとっては嬉しくて幸せな瞬間が、
アキにとっては水をかけられたような冷静で醒めた目で見ていたり。
相手の愛の言葉をリップサービスでしか受け取れない、
心の底にあるのは、いつまでたっても消えない疑惑なのか。

愛してた気持が醒めた後の寒々とした気持と、
愛していた頃の残り香、愛の欠片に決別の意を込めて
決着するクライマックスは、哀しかった。
新たなスタートは光が満ちているようで、そして哀しみもあって。
アキは強いと思いました。
所詮、最終的に土壇場では女のほうが心は強いんだろうか。
ヒロからすると、最後は、納得いく答えなんだろか。
アキの方が数歩先に行ってしまって、ヒロが取り残されたような、
そんな気がしました。



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ロミオとロミオは永遠に (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)ロミオとロミオは永遠に (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
(2002/11)
恩田 陸

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ビバ!20世紀のサブカルチャーよ!

正直、この作品が、ここまで自分の好みにぴったりはまるとは
思ってもいなかったです・・・。もっと早くに読んでいてもよかった。
2002年発表の作品で、現在文庫落ちもしてます。
が!紹介は、このハヤカワSFコレクションの表紙で出したかったので、
上記のようなアマゾンの商品画像で♪

著者の恩田陸さん曰く、「20世紀のサブカルチャーを自分なりに処理した作品」
だそうです。目次からしてステキ!昔懐かしの名画のタイトルばかり。
エデンの東、ショウほどステキな商売はない、暗くなるまでまって、などなど。

内容も、20世紀を代表するサブカルチャーだらけ。
狂乱の名門高校入試に、高校生クイズ選手権から始まり、
アンダーグランドではプロレスやコスプレ、そして演劇にアイドル評論やら。

物語は、主人公のカナザワアキラが「大東京学園」に入学するところから。
そのころの日本は、日本人だけが地球に居残り、化学物質や産業廃棄物の
処理にあたる近未来。そんな世界で生き残るエリートになるため、
大東京学園への入学を決めたアキラと、そして北海道から入学してきた
シゲルとの友情、学園生活に秘められた謎と罠、陰謀。
そして、学園からの脱出を試みる「新宿」クラス。
学園生活の息抜きに夜な夜な学生が集まる、秘密の場所、
『アンダーグランド』と呼ばれるサブカルチャーの宝庫。

アキラとシゲルは学園の謎に近づき、そして、この前世紀サブカルチャーの
歪んで狂った遺物で閉ざされた未来しかない学園から脱出すべく、
命を燃やす。後半、脱出劇が火花を散らすように繰り広げられます。


ぎっしりと、この1冊に20世紀のサブカルチャーと呼ばれる大衆文化が詰まってた!
切り口はどこでも金太郎飴、のようなもの、サブカルチャーだらけ。
なかでも面白いのは、そのサブカルチャーについて、近未来からの推測で語られるので、
ディズニーランドが実は軍事工場だったとか(都市伝説だろ!)、
観覧車(本作中では逃亡者をいれる独房)だったり。
プロレスやK1、こんなことさえも、アンダーグランドでは熱狂的にいで迎えられ。

あとがきでも書かれているように、20世紀はサブカルチャーが花開き、
そして謳歌した時代でもありました。
今まさにその時代を生きている自分としては、そのサブカルチャーの力や影響力、
そしてそれが自分にもたらした影響などは、とても感じないけれども、
この本を読むと、「ああ、こういうこともあったね~!」と
面白い面白いと読みすすめられました。

作品の流れも、色々な要素が詰まってて、なだれるようなラストへ。
あたしは、シゲルの方が好きだけど、でも、アキラも、多分名前からして、
某有名漫画「AKIRA」からきていると思うし、気になる所です。
(シゲル、はどこから来たのだろ~。知ってる人教えて)
キョンキョンとか、懐かしい名前も出てきてました。

近未来な日本が面白かった。壮大なテーマだったけど、脱走劇って
やはり読んでいながら(映画で見てもそうだけど)面白いです。
脱走する、ってところが、気持ち良いのよね、多分。
日常からの脱走、というか、人間は常に『脱走』という逸脱行為を
心のどこかで望むというか。非日常的だからこそ魅力にうつるのかもしれない。

まぁ、この本も映画『大脱走』を見ながら書かれた作品らしいけど、
その雰囲気が濃く漂っています。
面白かった!
文庫本、買っても良いな。
大風呂敷を広げちゃった感があったのですが、最後には全てちゃんとまとまり、
サブカルチャーへのオマージュが綺麗な形で片付いてよかった。


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