2017 08 / 07 last month≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09 next month
スポンサーサイト  --/--/--  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 | スポンサー広告  | Page Top↑
花宵道中  11/18/2007  
花宵道中花宵道中
(2007/02/21)
宮木 あや子

商品詳細を見る

『花宵道中』 宮木あや子

ようーやく読むことが出来た!
図書館を探しても、なかなか蔵書されてないものだから、
思い余って、リクエストしてみたら、3週間ほどで
図書館に入りました、早い!
こんなことなら、早くからリクエストしておけばよかった。
この本、本の雑誌やダヴィンチでも大絶賛だったんだけど、
R-18文学賞受賞作だからか、置いてないのよね。
かといって、買うのも迷うところだし。
(本代がない、とも言える)

話の舞台は、天保8年、江戸の吉原。
山田屋という小見世にいる遊女たちのお話。
連作短編になっている。

・「花宵道中」…遊女、朝霧の恋
・「薄羽蜉蝣」…禿の茜が初見世の話
・「青花牡丹」…「花宵道中」と対になっている話
・「十六夜時雨」…遊女、八重の恋
・「雪紐観音」…遊女、緑の語り

キーになるのは、表題にもなっている『花宵道中』の朝霧。
朝霧の妹女郎が八重、三重。その八重を面倒みているのが茜。
緑は朝霧と同じく山田屋の遊女であり、三重に可愛がられている子。

「花宵道中」と「青花牡丹」が対になっていて、
メインは「花宵道中」なのだけど、朝霧の恋の相手だった半次郎の
小さいころから、朝霧に出会い、愛し合うようになるまでの過程が
描かれている。「花宵道中」を読んだだけではわからなかった点が、
「青花牡丹」を読むと腑に落ちる点が多い。

読んでみた感想。

ものすごく、情愛深い、諦念を感じさせることが多かった。
吉原で遊女として生きていく、という、その生き方を呪うとか、
そこから脱出する、とか、そういう感情をメインに描いているんじゃなくて、
すでにその状態で、そこで生きているという運命を受け入れて、
過酷であっても、例えば酷いものであっても、
そうして生きている、諦めにも似た現実肯定がそこにあった。
だから、朝霧にせよ、八重にせよ、その恋を誤魔化さず、
そして直面してなお、強く貫く姿が印象的だった。

まぁ難しい話は抜きにして、あたしとしては、表題の作品も好きだけど、
朝霧の妹女郎、八重の話である『十六夜時雨』が一番好き。
あまり感情的ではなく、淡々としてて、
どちらかというとフラットだけれども、一番現実的で冷静な八重。
恋なんか、間男なんか欲しくない。愛なんか欲しくない。と
つっぱねる八重は、もしかしたらとても不器用なんじゃないかと思った。
激しい感情に身をゆだねるのが怖くて、だから最初から拒絶しているような。
最後に八重が下した決断には、心揺さぶられた。
自分の生き様をこうだ、と決められる強い心だと思った。

そういえば。
R-18文学賞、とのことで、エロティックな場面が多いのか?と言えば、
別にそこまで厭らしくなく、遊女であり、客をとる場面ぐらいで、
そんなに、アダルト本みたいではなかったよ。

ブログランキング・にほんブログ村へ


スポンサーサイト
**おすすめbook!!** | 作家〔マ〕行  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
九月の恋に出会うまで  11/13/2007  
九月の恋と出会うまで九月の恋と出会うまで
(2007/02/21)
松尾 由美

商品詳細を見る


『9月の恋に出会うまで』松尾由美

初めての松尾作品。文庫本で出ている『雨恋』が
気になっていたので、著者名は覚えていた。
図書館の棚でこの本を見つけたときに、ちらりと読んで
すらすらって読めそうな柔らかな文章だったので、
まずは、と思って借りてきてみた。

ストーリーは、主人公が可愛いテディベアのヌイグルミと出会い、
引越しを決意するところから始まる。
写真撮影を趣味にしている彼女が、モノクロ写真を
部屋で現像しているのを、隣人や家主から怪しく思われ、
それが嫌で、写真撮影の趣味の現像が出来る部屋を探してて
新しい部屋が決まるところから。
そのマンションは少し変わったマンションで、入居の条件は
他を3軒以上断られ、なおかつ芸術家であること。
そして画家であるオーナーの面接もある。

その条件をクリアして、新しい部屋に入居した彼女は、
毎日の出来事をテディベアのボンバーに話しかけるのだが、
ある日、ボンバーへの話かけを、くすりと笑う声と雰囲気が
エアコン用の壁の穴から聞こえてきた。
その声は、なんと主人公のいる時間より1年進んだ年、未来に住む、
同じマンションに住む平野だという。
そして、その声の主、一年後の平野氏は、過去の自分と区別するために
シラノと名乗り、主人公にあるお願いをする。
それは、1年前の自分、平野を尾行し、写真を撮ることだった。
そんな不思議な出来事が始まった日から、テディベアのボンバーも
喋りだした。可愛い顔に似合わずに皮肉な口ぶりで。

読後、とても幸せな気持ちになれた。
一年後の平野であるシラノと、主人公と、そして主人公と同じ時を生きている平野。
その3名がぐるぐる回りの巴のようになりながら、結末まで一息だった。
どうして、シラノが主人公にお願いをして、1年前の平野を尾行させたのか。
そして、9月22日の尾行3日目を終わりに、シラノは消えてしまい、
魔法の穴は、未来と通じなくなった後の、謎解き。
シラノは本当は誰だったのだろうか。
主人公に尾行をさせていた理由は、などなど。

ボンバーの使い方が上手いなぁと思った。
あと、現在の主人公と平野が、同じシラノの謎に取り組むうちに
近づいていくところや、そして、最後の恋の話。
9月に始まった不思議な出来事で結ばれた恋。
本文中に

女はよく献身的だといわれるけど、これは見える形で尽くすからだ。
男は相手の知らないところでひそかに尽くす。
そのことにロマンを感じる。

という台詞が出てくる。同じマンションに住んでいる正真正銘の音楽家である
倉が主人公に話すシーンだ。
関係が深いとか、長いとかは関係なく、
好きになった人のためだったら、奇跡を起こしたいと思う。
そう語っていた。まさにその通りのストーリーだった。

最後に、シラノが現れるシーン。
なぜ、「シラノ」だったのか。
全ての回答は、ずっと前から文章で出てきているのに、
最後になって、「あ、そうか~」と納得した。
主人公、幸せになるといいな。
9月に出会った恋と、現実が結びつくまでの時間、
長いようで、短かったし、その間の時間で主人公もシラノも成長できて、
そして、シラノが行ったマグカップ1杯ほどの奇跡が、
二人の人生を変えてしまったのがすごいと思った。


ブログランキング・にほんブログ村へ

**おすすめbook!!** | 作家〔マ〕行  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
ようちゃんの夜  09/25/2007  
ようちゃんの夜 (ダ・ヴィンチブックス)ようちゃんの夜 (ダ・ヴィンチブックス)
(2006/08)
前川 梓

商品詳細を見る


『ようちゃんの夜』 前川梓 2006年

本作で第1回ダ・ヴィンチ文学大賞を受賞し、デビュー。
装丁に、刺繍作家ヨシエの刺繍をもちいて、乙女ワールド全開。
ひたすら、装丁がステキ。

ようちゃんは、みんなの前にいる時は「塙ようこ」だけど、
あたし(アサコ)と一緒にいる時は、「ようちゃん」になる。
アサコも、みんなといる時は、「小石亜沙子」だけど、
ようちゃんといる時は、ただの「アサコ」になる。

アサコは、ようちゃんに憧れてて、
ようちゃんになりたくて、ようちゃんの全てを欲しいと思っている。
ようちゃんは、少女特有の美しさと儚さと危うさを持っていて
それを、アサコは欲しているけれども、近くにいて触れない。

ようちゃんについて、憧れる気持が淡々と書かれつつ、
ようちゃんのようになれないアサコの落胆と、哀しみと
そして、二人の世界を取り巻く違和感が、匂ってくる。

ようちゃんは、いつも危うくて、見えないものを掴もうとしてて
アサコもそれを見えて欲しいと願うのに、アサコには見えない。
ようちゃんの鋭い感受性の世界を一緒に見ようとしても、
アサコは憧れるばかりで手にいれられない。
隣にいても見えないこともある。

少女のころ、誰かになりたいと思ったことがある。
誰かとは、繊細でそして感受性が強い、芸術家のような子。
憧れているけれども、それは届かなく、隣にいるしかなくて。
愛してるとか、恋してる、とかの感情じゃない。
ただ、その人の傍にいて、その人の世界を一緒にみたいだけ。

そんな世界があたしにもかつてあったんだ、ということを
この本を読んで思い出した。
 | 作家〔マ〕行  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
青春俳句講座 初桜  09/08/2007  
青春俳句講座 初桜青春俳句講座 初桜
(2006/06)
水原 佐保

商品詳細を見る




『青春俳句講座 初桜』 水原佐保

図書館で気になって借りてきてしまった。
小説コーナーに置かれた俳句のキーワードの題名って、
かなり反則的に心を掴むのはなぜだろう。
俳句・短歌コーナーに、そんな題名の本があっても、
そこまで興味を示さないのに。

主人公は高校生の女の子。
若手の花鳥先生という(美男子!)俳人の俳句講座に通い、
高校生活の一番最後に俳句集を作ることを目標にしている。

連作短編で1年を通しているのだけど、
表題の「初桜」、「菫」、「雛祭り」と乙女心をくすぐる
可愛い題名がつけられてて、思わずうーんとうなってしまいました。
初桜、っていう響きも、菫という響きも、
俳句で使われるって考えたら、とてもステキだな。

ちなみに、あたしは本作品中の俳句、

残る花 空に余白を あましけり

というのが好きです。表題『初桜』の一番最後で主人公が詠む歌。

これに影響されて、自分でも一句作ってみました。

春過ぎて 思い出香る あの日の午後

…、意味わからないけど、俳句や短歌の本を読むと、
なぜか自分も一句詠みたくなります。影響されるのよね。


ブログランキング・にほんブログ村へ
 | 作家〔マ〕行  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑

Blog状況

最近の記事

カテゴリー

訪問者数

メールフォーム